ナゼア
ナゼアOD錠0.1mg、注射液0.3mg
一般名:ラモセトロン塩酸塩
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開発の経緯1)
ラモセトロン塩酸塩(ナゼア)は山之内製薬(現 アステラス製薬)が独自に開発した 5-HT3受容体拮抗型制吐剤である。
5-HT3受容体拮抗薬の構造は一般的に3つの部分に分けて考えることができ、芳香環部分とアミン部分がカルボニル基を含む接続部分を介して結合している。
山之内製薬(現 アステラス製薬)は数多くの化合物をスクリーニングしていくなかで、芳香環部分としてセロトニンと同じインドール環を有し、アミン部分としてテトラヒドロベンズイミダゾール基を有する誘導体が5-HT3受容体拮抗作用を示すことを見出し、1989年にラモセトロン塩酸塩(R 体)を発見した。
1996年、ラモセトロン塩酸塩は注射剤で製造承認を取得し、「ナゼア注射液0.3mg」として臨床の場で活用されている。
ナゼアOD錠は、ラモセトロン塩酸塩の口腔内崩壊錠である。本剤はアステラス製薬創剤研究所で開発された新しい剤形で、水なしでも服薬が可能な製剤である。
ナゼアOD錠は 1998年6月に製造承認を取得し、その後再審査申請を行った結果、ナゼア注射液0.3mg・OD錠0.1mgとも2007年6月に薬事法第14条第2項各号(承認拒否事由)のいずれにも該当しないとの再審査結果を得た。
2018年10月1日LTLファーマ株式会社はナゼア注射液・OD錠の製造販売承認を承継した。
治療学的・製剤学的特性1)2)
- ナゼアOD錠は持続的な5-HT3受容体拮抗作用を示す。(in vitro、in vivo)
- 抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)による悪心・嘔吐を抑制する。
- 副作用発現率(臨床検査値異常を含む)は、承認時6.1%(17/278例)、市販後使用成績調査で6.9%(214/3,121 例)であった。(社内資料)
重大な副作用としてショック、アナフィラキシー、てんかん様発作が報告されている。 - 「水なし」でも服用が可能な口腔内崩壊錠である。
副作用の項を参照
- ナゼア注は持続的な5-HT3受容体拮抗作用を示す。(in vitro、in vivo)
- 抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)による悪心・嘔吐を抑制する。
- 副作用発現率(臨床検査値異常を含む)は、承認時5.1%(18/352例)、市販後使用成績調査及び市販後臨床試験で7.5%(260/3,464例)であった。(社内資料)
重大な副作用としてショック、アナフィラキシー、てんかん様発作が報告されている。 - アンプルが無包装の状態で散乱光下に放置されても安定性を保持できるよう、褐色アンプルを使用している。
禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
効能又は効果に関連する注意
- 本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。
- 主として、本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)を投与する際に、その悪心、嘔吐を未然に防ぐために使用し、注射剤は悪心、嘔吐が発現している患者への制吐療法として使用すること。
- 抗悪性腫瘍剤投与後、本剤の効果が不十分で悪心、嘔吐が発現した場合には、他の制吐療法(注射剤の投与等)を考慮すること。
- 本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。
用法及び用量
通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.1mgを1日1回 経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
用法及び用量に関連する注意
- 本剤は、抗悪性腫瘍剤の投与1時間前に投与する。
- 癌化学療法の各クールにおいて、本剤の投与期間は5日間以内とする。
通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.3mgを1日1回静脈内投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、効果不十分な場合には、同用量を追加投与できる。
ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。
相互作用
本剤は、主として肝臓の薬物代謝酵素CYP1A2及びCYP2D6により代謝される。
〈併用注意(併用に注意すること)〉
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| フルボキサミン | 本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。 | フルボキサミンのCYP1A2阻害作用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈重大な副作用〉
ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(気分不良、胸内苦悶感、呼吸困難、喘鳴、顔面潮紅、発赤、そう痒感、チアノーゼ、血圧低下等)を起こすことがある。
てんかん様発作(頻度不明)
〈その他の副作用〉
| 1~5%未満 | 0.1~1%未満 | 0.1%未満 | |
|---|---|---|---|
| 過敏症 | 皮疹 | ||
| 精神神経系 | 頭痛、頭重 | 眠気 | |
| 消化器 | 便秘 | ||
| 腎臓 | BUN上昇 | ||
| 肝臓 | 肝機能異常 (AST(GOT)上昇、 ALT(GPT)上昇、 LDH上昇、ビリルビン上昇) |
||
| Other | 発熱 |
| 1~5%未満 | 0.1~1%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
|---|---|---|---|---|
| 過敏症 | 皮疹 | そう痒感 | 発赤 | |
| 精神神経系 | 頭痛、頭重 | |||
| 消化器 | 下痢、便秘 | |||
| 腎臓 | BUN上昇、血中クレアチニン上昇 | |||
| 肝臓 | 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇等) | |||
| Other | 体熱感、しゃっくり、頭部のほてり | 舌のしびれ感 |
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は上記記載の各項目をご参照ください
臨床成績
有効性及び安全性に関する試験
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現する悪心、嘔吐を対象として、シスプラチン投与の1時間前に本剤を投与する二重盲検比較試験及び一般臨床試験を国内延べ90施設、284例を対象として行った。臨床成績の概要は以下のとおりである。
なお、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現する悪心、嘔吐を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が確認されている。
| 投与量 | シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に より発現する悪心、嘔吐に対して 単回経口投与を行ったときの有効率 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に より発現する悪心、嘔吐に対して 5日間連日投与を行ったときの有効率 |
|---|---|---|
| 0.1mg | 77.9%(106/136例) | 80.0%(12/15例) |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対して国内延べ121施設、357例を対象として二重盲検比較試験及び一般臨床試験を行った。臨床成績の概要は 以下のとおりである。
なお、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐を対象としたプラセボとの二重盲検比較試験により、本剤の有用性が確認されている
| 投与量 | シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に より発現した悪心、嘔吐に対する有効率 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に 先立って投与した場合の有効率 |
|---|---|---|
| 0.3mg | 79.8%(178/223例) | 85.1%(40/47例) |
2)2022年6月改訂(第2版) ナゼア注射液電子添文