セロクエル
セロクエル錠25mg/100mg/200mg、セロクエル細粒50%
一般名:クエチアピンフマル酸塩
セロクエル錠/セロクエル細粒は供給確保医薬品カテゴリーCです。
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開発の経緯1)2)
1950年から1960年にかけてクロルプロマジン、ハロペリドールを始めとして多くの抗精神病薬が開発されて治療の場に供されてきた。これらの定型抗精神病薬と呼ばれる薬剤は、ドパミンD2受容体に対する遮断作用を有し、統合失調症の幻覚や妄想などのいわゆる「陽性」症状の治療には有用であるが、感情鈍麻や社会的引きこもりなどのいわゆる「陰性」症状に対しては、その効果に限界がみられると言われてきた。
1980年代の初め、米国ゼネカ社(現 アストラゼネカ社)は、ドパミンD2受容体拮抗作用とセロトニン5-HT2受容体拮抗作用を併せ持ち、他の抗精神病薬に比べ錐体外路(EPS)の発現が少なく、他に重大な副作用のない、新しい非定型抗精神病薬の検索を行い、多数の化合物の中から新しい抗精神病作用を有するジベンゾチアゼピン系化合物としてクエチアピンを選択し開発を開始した。
クエチアピンは、ドパミンD2及びセロトニン5-HT2受容体をはじめとする複数の受容体に高い親和性を示した。ドパミンD2受容体よりもセロトニン5-HT2受容体に相対的に高い親和性を示すことより、EPSの誘発能は弱いものと考えられ、1986年より臨床試験が開始された。その結果、EPSがプラセボと有意な差を認めない特徴及び有用性が確認され、1997年7月に英国において、9月に米国において承認された。
我が国では、1992年より開始した錠剤による臨床試験において有効性及び安全性が確認された結果、2000年12月に25mg錠及び100mg錠の承認を取得した。また、2003年2月には、輸入承認がアストラゼネカ社から藤沢薬品工業(現 アステラス製薬)に承継された。
また、細粒剤を藤沢薬品工業(現 アステラス製薬)が開発し、2004年 2月に製造承認を取得した。さらに、高用量投与時の利便性向上のため 200mg 錠を開発し、2009年7月に承認を取得した。
また、平成19年8月6日薬食審査発第0806001号「我が国における医薬品の一般的名称の変更について(その1)」に基づき、一般的名称をフマル酸クエチアピンから「クエチアピンフマル酸塩」に変更した。
2025年4月1日、LTLファーマ株式会社はセロクエル錠/細粒の製造販売承認を承継した。
治療学的特性1)
非臨床試験成績からの特徴
- 受容体親和性
本薬はドパミンD1、ドパミンD2、セロトニン5-HT2受容体等に親和性を示し、相対的にドパミンD2受容体に比してセロトニン5-HT2受容体に高い親和性を示す。他にヒスタミンH1受容体、アドレナリンα1、α2受容体にも親和性を示すが、ムスカリン受容体やベンゾジアゼピン受容体に対しては、ほとんど親和性を示さない。 - ドパミン及びセロトニン受容体拮抗作用
アポモルヒネによるリスザルの瞬目反応、マウスのよじ登り運動及び遊泳障害、並びにキパジンによるラット首振り運動を用量依存的に抑制した。 - 錐体外路系に対する作用
ラットにおいて、本薬80mg/kg投与時にハロペリドール4mg/kg投与時と同等のカタレプシーが認められた。 - 血漿中プロラクチンに対する作用
本薬をラットに単回投与すると血漿中プロラクチン濃度を一時的に上昇させるがその後急速に低下する。ラットにおいて、血漿中プロラクチン濃度推移はハロペリドールと異なり、持続的な上昇を示さなかった。
臨床試験成績からの特徴1)2)
- 統合失調症の陽性及び陰性症状の両方に有効である。
- 統合失調症患者を対象とした海外のプラセボ対照二重盲検比較試験において、プロラクチン濃度には、プラセボ投与群との間に有意な差を認めなかった。
副作用の項を参照
警告
- 著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、 糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。
- 投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。
〈解説〉
- 本剤の投与後に糖尿病性ケトアシドーシスを来し死亡した例が報告されているので、本剤投与中には血糖値の測定等の観察を十分に行う必要がある。
- 一般に統合失調症患者は外来患者が多いことから、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の副作用を早期に発見するため、これらの副作用が発現する場合があることを患者及びその家族に十分説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の前駆症状に注意するよう指導する必要がある
禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
- バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
- アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者
- 本剤は中枢神経抑制作用があるため、昏睡状態の患者に投与した場合、昏睡状態を悪化させるおそれがある。
- 本剤は中枢神経抑制作用があるため、バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者に投与した場合、さらに中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。
- 本剤はアドレナリン α 受容体遮断作用を有しているため、アドレナリン α、β 受容体刺激剤であるアドレナリンと併用した場合、アドレナリンの β 受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがあるため記載されていた。
しかし、「平成 29 年度第 12 回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」において、アドレナリンと α 遮断作用を有する抗精神病薬の併用については、薬理学的に血圧低下が起こるおそれがあるものの、アナフィラキシーは致死的な状態に至る可能性があり、迅速な救急処置としてアドレナリン投与が必要とされることから、アナフィラキシー治療時に患者の急な容態の変化にも対応できる体制下においてアドレナリンを使用することは、リスクを考慮しても許容できると判断された。このため 2018 年 4 月に、「禁忌」及び「併用禁忌」の項のアドレナリンに係る記載に「アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く」を追記することとした。
その後、抗精神病薬とアドレナリン含有歯科麻酔薬の併用に関して、両薬剤の注意喚起レベルが異なることから、抗精神病薬とアドレナリン含有歯科麻酔薬との併用時のアドレナリン反転について、公表文献等に基づき当局において検討された。その結果、2023年10月に以下の点を踏まえ、「禁忌」及び「併用禁忌」の項のアドレナリンに係る記載に「歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く」を追記し、「併用注意」の項に「アドレナリン含有歯科麻酔剤」を追加した。- 国内において、抗精神病薬常用者に対する歯科用アドレナリン製剤の使用実態が調査され、併用の実態があることが報告されており、また併用によりアドレナリン反転によると考えられる事象がほとんど報告されていないこと。
- 抗精神病薬を前処置したラットにアドレナリンを投与し、血圧及び脈拍数の変化を検討したところ、有意な変化が認められたアドレナリンの投与量はヒトにおいて歯科麻酔薬により臨床使用される常用量を大きく上回ること。
- 抗精神病薬が投与されている患者において、全身麻酔下でアドレナリン添加リドカインを投与したところ、循環動態に影響を与えなかったことが報告されていること。
- 本剤による発疹等の過敏症状が報告されている。本剤の投与で何らかの過敏症状を起こした既往のある患者に本剤を再投与した場合、重篤な過敏症状が発現するおそれがある。
- 糖尿病を合併している患者において糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖等の副作用が多く報告されていることから、糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者には投与しないこと。
効能又は効果
統合失調症
用法及び用量
通常、成人にはクエチアピンとして1回25mg、1日2又は3回より投与を開始し、患者の状態に応じて徐々に増量する。通常、1日投与量は150~600mgとし、2又は3回に分けて経口投与する。
なお、投与量は年齢・症状により適宜増減する。ただし、1日量として750mgを超えないこと。
用法及び用量に関連する注意
- 肝機能障害患者には、少量(例えば1回25mg1日1回)から投与を開始し、1日増量幅を25~50mgにするなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
- 高齢者には、少量(例えば1回25mg1日1回)から投与を開始し、1日増量幅を25~50mgにするなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
重要な基本的注意
- 本剤の投与により、著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の致命的な経過をたどることがあるので、本剤投与中は、血糖値の測定や口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行うこと。特に、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者では、血糖値が上昇し、代謝状態を急激に悪化させるおそれがある。
- 本剤の投与により、低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。
- 本剤の投与に際し、あらかじめ上記2項目の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。
- 本剤の投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。
- 本剤は、特に治療開始初期に起立性低血圧を起こすことがあるので、立ちくらみ、めまい等の低血圧症状があらわれた場合には減量等、適切な処置を行うこと。
- 本剤は主として中枢神経系に作用するため、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
- 前治療薬からの切り替えの際、精神症状が悪化する可能性があるので観察を十分行いながら前治療薬の用量を減らしつつ、本薬を徐々に増量することが望ましい。また、症状の悪化が認められた場合には、他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
- 投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、嘔吐等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
- 無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、 血液検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
相互作用
本剤の代謝に関与する主なP450酵素はCYP3A4である。
〈併用禁忌(併用しないこと)〉
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| アドレナリン (アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く) (ボスミン) |
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 | アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体の刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。 |
〈併用注意(併用に注意すること)〉
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 中枢神経抑制剤 アルコール |
中枢神経抑制作用が増強することがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、慎重に投与すること。 | 薬力学的相互作用を起こすことがある。 |
| CYP3A4誘導作用を有する薬剤注) フェニトイン カルバマゼピン バルビツール酸誘導体 リファンピシン 等 |
本剤の作用が減弱することがある。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により、本剤のクリアランスが増加することがある。 |
| 強いCYP3A4阻害作用を有する薬剤 イトラコナゾール 等 |
本剤の作用を増強するおそれがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、本剤を減量するなどして慎重に投与すること。 併用により本剤の血漿中濃度が高値となり、QT間隔が延長するおそれがある。 |
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を強く阻害するため、血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| CYP3A4阻害作用を有する薬剤 エリスロマイシン 等 |
本剤の作用を増強するおそれがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、慎重に投与すること。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| QT延長を起こすことが知られている薬剤 | QT延長があらわれるおそれがある。 | 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。 |
| アドレナリン含有歯科麻酔剤 リドカイン・アドレナリン |
重篤な血圧降下を起こすことがある。 | アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体の刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。 |
注) これらの薬剤を投与中止する場合には、本剤の減量を要することがある。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈重大な副作用〉
高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明)
死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
悪性症候群(Syndrome malin)(0.2%)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加やCKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
痙攣(頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)
肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
遅発性ジスキネジア(0.9%)
口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、 多形紅斑(いずれも頻度不明)
〈その他の副作用〉
| 5%以上 | 1~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
|---|---|---|---|---|
| 精神神経系 | 不眠(19.3%)、易刺激性、傾眠(14.2%)、 不安、頭痛、めまい | 幻覚の顕在化、健忘、攻撃的反応、昏迷、神経症、妄想の顕在化、リビドー亢 進、感情不安定、激越、錯乱、思考異常、自殺企図、人格障害、躁病反応、多幸症、舞踏病様アテトーシス、片 頭痛、悪夢、うつ病、独語、衝動行為、自動症 | 統合失調性反応、協調不能、レストレスレッグス症候群、軽躁、注意力障害、過眠症、自殺念慮、自傷行動、焦躁感、鎮静、意識レベルの低下、せん妄、敵意 | |
| 錐体外路症状 | アカシジア、 振戦、構音障害 | 筋強剛、流涎過多、運動緩慢、歩行障害、ジスキネジア、 嚥下障害 | ジストニア、眼球回転発作 | 構語障害、錐体外路障害、パーキンソン症候群 |
| 血液 | 顆粒球減少 | 白血球数増加、好酸球増加症、貧血、血小板減少 | ||
| 循環器系 | 頻脈 | 起立性低血圧、心悸亢進、心電図異常 | 低血圧、高血圧、徐脈、不整脈、失神 | 血管拡張、動悸、心電図QT延長 |
| 肝臓 | AST上昇、ALT上昇、LDH上昇 | Al-P上昇、γ-GTP上昇 | ビリルビン血症 | 肝機能検査異常 |
| 呼吸器系 | 去痰困難、鼻炎 | 咳増加、鼻閉 | ||
| 消化器系 | 便秘、食欲減退 | 悪心 | 食欲亢進、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良 | 鼓腸放屁、消化管障害、吐血、直腸障害、過食、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、膵炎、胃炎、胃不快感 |
| 眼 | 瞳孔反射障害 | 弱視、結膜炎 | ||
| 代謝・内分泌 | 高プロラクチン血症、T4減少 | 高コレステロール血症 | 月経異常、甲状腺疾患、高脂血症、高カリウム血症、肥満症 | T3減少、痛風、低ナトリウム血症、 水中毒、多飲症、TSH減少、TSH上昇、高トリグリセ リド血症、高尿酸血症、尿糖陽性、FT4減少、乳汁漏出症 |
| 過敏症 | 発疹 | 血管浮腫、そう痒、湿疹 | ||
| 泌尿器系 | 排尿障害、排尿困難、尿失禁、尿閉、BUN上昇 | 持続勃起、射精異常、インポテンス、頻尿、膀胱炎、尿蛋白陽性 | ||
| Other | 倦怠感、無力症、CK上昇 | 口内乾燥、体重増加 | 多汗、発熱、体重減少、胸痛、筋肉痛、舌麻痺、しびれ感、背部痛、浮腫、ほてり、歯痛 | 顔面浮腫、頸部硬直、腫瘤、過量投与、骨盤痛、歯牙障害、関節症、滑液包炎、筋無力症、 痙縮、悪化反応、偶発外傷、耳の障害、味覚倒錯、ざ瘡、脱毛症、薬剤離脱症候群(不眠、 悪心、頭痛、下痢、嘔吐)、口渇、回転性めまい、悪寒、靭帯捻挫、意欲低下、末梢性浮腫、関節痛 |
過量投与
症状
主な症状は傾眠、鎮静、頻脈、低血圧等である。まれに昏睡、死亡に至る症例が報告されている。
処置
低血圧の処置を行う場合、アドレナリン、ドパミンは、本剤のα-受容体遮断作用により低血圧を悪化させる可能性があるので投与しないこと。
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は上記記載の各項目をご参照ください
臨床成績
有効性及び安全性に関する試験
国内第Ⅲ相二重盲検比較試験(ハロペリドール)
統合失調症患者197例を対象としてクエチアピンの有効性及び安全性についてハロペリドールを対照に多施設二重盲検比較試験を行った。投与期間は8週とした。その結果、最終全般改善度を指標とした改善率はクエチアピン群38.1%(37/97例)、ハロペリドール群25.8%(24/93例)であり、同等性(非劣性)が検証された。副作用の発現率はクエチアピン群67.0%(67/100例)、ハロペリドール群82.5%(80/97例)であり、本剤投与群で有意に低かった(p=0.014)。
本剤投与群における主な副作用は、不眠症21例(21.0%)、傾眠19(19.0%)、倦怠感15例(15.0%)、神経過敏症14例(14.0%)、振戦12例(12.0%)、不安10例(10.0%)、無力症10例(10.0%)であった。
国内第Ⅲ相二重盲検比較試験(モサプラミン)
統合失調症患者181例を対象としてクエチアピンの有効性及び安全性についてモサプラミンを対照に多施設二重盲検比較試験を行った。投与期間は 8 週とした。その結果、最終全般改善度を指標とした改善率はクエチアピン群37.2%(32/86例)、モサプラミン28.8%(23/80例)であり、同等性(非劣性)が検証された。副作用の発現率はクエチアピン群61.1%(55/90例)、モサプラミン群81.1%(73/90例)であり、本剤投与群で有意に低かった(p=0.004)。本剤投与群における主な副作用は、神経過敏症22例(24.4%)、不眠症19例(21.1%)、不安17例(18.9%)、めまい11例(12.2%)、振戦10例(11.1%)、倦怠感10例(11.1%)、無力症10例(11.1%)、アカシジア 9 例(10.0%)であった。
国内第Ⅲ相一般臨床試験
他の抗精神病薬において寛解を示さなかった(治療抵抗性)統合失調症患者32例を対象とし、有効性及び安全性を検討することを目的とした多施設オープン試験を実施した。投与期間は 8 週とした。その結果、最終全般改善度を指標とした改善率は40.9%(9 /22例)であった。副作用の発現率は46.9%(15/32例)であった。主な副作用は、不眠症8例(25.0%)、神経過敏症7例(21.9%)、不安5例(15.6%)、振戦3例(9.4%)であった。
2)上島 国利 他:臨床精神薬理 2006;9(8):1629-1639