適正使用ハンディガイド
ナゼア
ナゼアOD錠0.1mg、ナゼア注射液0.3mg
一般名:ラモセトロン塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
作用機序
ナゼアは5-HT3受容体拮抗型制吐剤です。
抗悪性腫瘍剤誘発嘔吐の発現機序として、消化管粘膜内求心性迷走神経終末に存在の5-HT3受容体への刺激が嘔吐中枢に達して発現すると推察されています。
5-HT3受容体拮抗剤は、5-HT3受容体を介する嘔吐に選択的に制吐作用を示すもので、硫酸銅誘発嘔吐(主に胃粘膜の局所刺激による嘔吐)やアポモルヒネ誘発嘔吐(D2受容体刺激による嘔吐)は抑制しないと考えられています。
<抗がん薬による悪心・嘔吐のメカニズム>

効能又は効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(ナゼアOD錠、注射液共通)
効能又は効果に関連する注意
本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。(ナゼアOD錠、注射液共通)
主として、本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)を投与する際に、その悪心、嘔吐を未然に防ぐために使用し、注射剤は悪心、嘔吐が発現している患者への制吐療法として使用すること。(ナゼアOD錠)
抗悪性腫瘍剤投与後、本剤の効果が不十分で悪心、嘔吐が発現した場合には、他の制吐療法(注射剤の投与等)を考慮すること。(ナゼアOD錠)
抗がん薬使用時の嘔吐抑制にのみ有効です。
シスプラチンは制吐薬適正使用ガイドラインで「高度催吐性リスク」の薬剤に分類されています。
◆ 悪心・嘔吐に対するリスク評価
- 高度催吐性リスク(high emetic risk) : 90%を超える患者に発現する
- 中等度催吐性リスク(moderate emetic risk) : 30%<~90%の患者に発現する
- 軽度催吐性リスク(low emetic risk) : 10% ~30%の患者に発現する
- 最小度催吐性リスク(minimal emetic risk) : 10%未満の患者に発現する
◆ 悪心・嘔吐の発現時期や状態による定義
- 急性期悪心・嘔吐:抗がん薬投与開始後24時間以内に出現する悪心・嘔吐
- 遅発期悪心・嘔吐:抗がん薬投与開始後24~120時間(2~5日)程度持続する悪心・嘔吐
- 突出性悪心・嘔吐:制吐薬の予防的投与にもかかわらず発現する悪心・嘔吐
- 予期性悪心・嘔吐:抗がん薬のことを考えただけで誘発される悪心・嘔吐
日本癌治療学会 制吐薬適正使用ガイドライン第3版(金原出版)から
用法及び用量
ナゼアOD 錠と注射液の比較
| ナゼアOD錠 | ナゼア注射液 | |
|---|---|---|
| 6.用法及び用量 | 通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.1mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。 | 通常、成人にはラモセトロン塩酸塩として0.3mgを1日1回静脈内投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。また、効果不十分な場合には、同用量を追加投与できる。 ただし、1日量として0.6mgを超えないこととする。 |
| 7.用法及び用量に関連する注意 | 7.1 本剤は、抗悪性腫瘍剤の投与1時間前に投与する。 7.2 癌化学療法の各クールにおいて、本剤の投与期間は5日間以内とする。 |
記載なし |
安全性について十分に配慮し、投与してください。
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は上記記載の各項目をご参照ください
臨床成績(ナゼアOD錠)
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現する悪心、嘔吐を対象として、シスプラチン投与の1時間前に本剤を投与する二重盲検比較試験及び一般臨床試験を国内延べ90施設、284例を対象として行い臨床成績は以下の通りです。
| 投与量 | シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に より発現する悪心、嘔吐に対して 単回経口投与を行ったときの有効率 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に より発現する悪心、嘔吐に対して 5日間連日投与を行ったときの有効率 |
|---|---|---|
| 0.1mg | 77.9% (106/136例) | 80.0% (12/15例) |
臨床成績(ナゼア注射液)
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与により発現した悪心、嘔吐に対して国内延べ121施設、357例を対象として二重盲検比較試験及び一般臨床試験を行い臨床成績は以下の通りです。
| 投与量 | シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に より発現する悪心、嘔吐に対する有効率 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に 先立って投与した場合の有効率 |
|---|---|---|
| 0.3mg | 79.8% (178/223例) | 85.1% (40/47例) |
その他の情報
◆ OD錠の味は
OD錠はアスパルテーム、乳糖水和物、D-マンニトールが含まれており甘味があります。
◆ OD錠の経管投与は
OD 錠は水で速やかに崩壊する性質がありますが、経管投与は承認外の使用法ですのでおやめください。
◆ 適用上の注意(ナゼアOD錠)
ナゼアOD錠は口腔内崩壊錠の中でも非常に崩壊しやすい錠剤です。
少しの力でも崩壊しますので、服用時に割れていた場合は、そのまま粉になったものも一緒に全て服用してください。
◆ 取扱い上の注意(ナゼアOD錠)
開封後は湿気を避けて遮光して保存すること。
PTP包装は、遮光しておりますが、ピロー包装から取り出した後は出来るだけ光を避けて保存してください。
本薬剤についての詳細は、
【電子添文】ナゼア(OD錠)【電子添文】ナゼア(注射液)
または
【インタビューフォーム】ナゼア(OD錠)【インタビューフォーム】ナゼア(注射液)
をご覧ください。