適正使用ハンディガイド
ディレグラ
ディレグラ配合錠
一般名:フェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリン
禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分及び塩酸プソイドエフェドリンと化学構造が類似する化合物(エフェドリン塩酸塩又はメチルエフェドリン塩酸塩を含有する製剤)に対し過敏症の既往歴のある患者
重症の高血圧の患者[症状が悪化するおそれがある。]
重症の冠動脈疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。]
閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化するおそれがある。]
尿閉のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
交感神経刺激薬による不眠、めまい、脱力、振戦、不整脈等の既往歴のある患者[塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用が強くあらわれるおそれがある。]
ディレグラとは
「有効成分」、「効能又は効果」に関するガイド
ディレグラは、中等症以上の鼻閉を有するアレルギー性鼻炎患者さんに適した第2世代抗ヒスタミン薬の経口配合剤です。
ディレグラは、第2世代抗ヒスタミン薬であるフェキソフェナジン塩酸塩と、血管収縮作用を有するα交感神経刺激薬である塩酸プソイドエフェドリンの経口配合剤です。
フェキソフェナジン塩酸塩は、抗ヒスタミン作用によりアレルギー性鼻炎のくしゃみ、鼻汁を改善します。また、塩酸プソイドエフェドリンは、α受容体を刺激して鼻粘膜の血管平滑筋を収縮させ、血流を減少させることにより鼻粘膜の充血や腫脹を軽減して鼻閉を改善します。
この2つの有効成分により、鼻閉症状を有するアレルギー性鼻炎に対しても、改善効果が期待できます。

アレルギー性鼻炎の患者さんの70%以上は鼻閉を有しており(下図)、その鼻閉がQOLに及ぼす影響は非常に大きいことが知られています。一方、患者さん自身が鼻閉症状に気づいても、自ら医師に伝えようとしない傾向がみられます。1)
患者さんの鼻閉について医療者側から尋ね、適切に診断することで、いままで自ら訴えることがなかった鼻閉の潜在患者さんにも適切な鼻閉治療を届けることが可能になります。
◆アレルギー性鼻炎患者さんの鼻閉症状の程度
〈医師300名へのインターネット調査より〉1)

ディレグラの投与期間について
「重要な基本的注意」に関するガイド
鼻閉症状の緩解がみられたら、第2世代抗ヒスタミン薬単独療法などへの切り替えを考慮してください。
アレルギー性鼻炎の治療においては、病型や重症度に応じて2種類以上の薬効を組み合わせる薬剤の併用療法が推奨されています(表2)。
ディレグラは、第2世代抗ヒスタミン薬であるフェキソフェナジン塩酸塩と、血管収縮作用を有するα交感神経刺激薬である塩酸プソイドエフェドリンを含む経口配合剤で、中等症以上の鼻閉(表1)が認められるアレルギー性鼻炎が適応になっています。
なお、鼻閉症状が軽くなった場合は、速やかに第2世代抗ヒスタミン薬単独療法などへの切り替えをご検討ください。
中等症以上の患者においては、併用療法が推奨されています
表1:中等症以上の鼻閉
〈アレルギー性鼻炎症状の重症度分類〉2)
| 程度および重症度 | くしゃみ発作*1または鼻漏*2 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ++++ 21回以上 |
+++ 11〜20回 |
++ 6〜10回 |
+ 1〜5回 |
− +未満 |
|||
| 鼻閉 | ++++ | 1日中完全につまっている | 最重症 | ||||
| +++ | 鼻閉が非常に強く口呼吸が 1日のうちかなりの時間ある |
重症 | |||||
| ++ | 鼻閉が強く口呼吸が 1日のうちときどきある |
中等症 | |||||
| + | 口呼吸は全くないが鼻閉あり | 軽症 | |||||
| − | 鼻閉なし | 無症状 | |||||
*11日の平均発作回数、*21日の平均鼻かみ回数
表2:アレルギー性鼻炎に対する治療
〈重症度に応じた花粉症に対する治療法の選択〉2)
| 重症度 | 初期療法 | 軽症 | 中等症 | 重症・最重症 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 病型 | くしゃみ・ 鼻漏型 |
鼻閉型または充全型 | くしゃみ・ 鼻漏型 |
鼻閉型または充全型 | ||
| 治療 |
①第2世代抗ヒスタミン薬 ②遊離抑制薬 ③抗LTs薬 ④抗PGD2・TXA2薬 ⑤ Th2サイトカイン阻害薬 ⑥鼻噴霧用ステロイド薬 |
①第2世代抗ヒスタミン薬 ②抗LTs薬 ③抗PGD2・TXA2薬 ④鼻噴霧用ステロイド薬 |
第2世代抗ヒスタミン薬 + 鼻噴霧用ステロイド薬 |
抗LTs薬または抗PGD2・TXA2薬 + 鼻噴霧用ステロイド薬 + 第2世代抗ヒスタミン薬 もしくは 第2世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤*3 |
鼻噴霧用ステロイド薬 + 第2世代抗ヒスタミン薬 |
鼻噴霧用ステロイド薬 + 抗LTs薬または抗PGD2・TXA2薬 + 第2世代抗ヒスタミン薬 もしくは 鼻噴霧用ステロイド薬 |
| 抗IgE抗体*4 | ||||||
| 点眼用抗ヒスタミン薬または遊離抑制薬 | 点眼用抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬またはステロイド薬*6 | |||||
| 保存療法に抵抗する症例では手術 | ||||||
| アレルゲン免疫療法 | ||||||
| 抗原除去・回避 | ||||||
遊離抑制薬:ケミカルメディエーター遊離抑制薬。
抗LTs薬:抗ロイコトリエン薬。
抗PGD2・TXA2薬:抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬。
*3本剤の使用は鼻閉症状が強い期間のみの最小限の期間にとどめ、 鼻閉症状の緩解がみられた場合には、速やかに抗ヒスタミン薬単独療法などへの切り替えを考慮する。
*4最適使用推進ガイドラインに則り使用する。
*5点鼻用血管収縮薬を2週間程度、 経口ステロイド薬を1週間程度用いる。
*6点眼用ステロイド薬使用に関しては、眼科医による服薬チェックなどの診療が必要である。
症状の経過をチェックしましょう
アレルギー性鼻炎患者さんの来院時には、鼻閉症状のチェックが大切です。

重要な基本的注意(電子化された添付文書より抜粋)
本剤の使用は鼻閉症状が強い期間のみの最小限の期間にとどめ、鼻閉症状の緩解がみられた場合には、速やかに抗ヒスタミン剤単独療法等への切り替えを考慮すること。本剤を2週間を超えて投与したときの有効性及び安全性は臨床試験では検討されていない。2週を超えて投与する場合には患者の症状を確認しながら投与すること。[5.、17.1.1参照]*7
効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
*72週間を超えて投与したときの安全性および有効性を検討したデータとして、8週までの投与観察期間を設定した使用成績調査(Departure study)の結果3)が公表されています。
〈通年性アレルギー性鼻炎の治療2)〉
| 重症度 | 軽症 | 中等症 | 重症・最重症 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 病型 | – | くしゃみ・ 鼻漏型 |
鼻閉型または 充全型 |
くしゃみ・ 鼻漏型 |
鼻閉型または 充全型 |
| 治療 |
①第2世代抗ヒスタミン薬 ②遊離抑制薬 ③Th2サイトカイン阻害薬 ④鼻噴霧用 ステロイド薬 |
①第2世代 抗ヒスタミン薬 ②鼻噴霧用 ステロイド薬 症状に応じて2剤を併用する |
①抗LTs薬 ②抗PGD2・TXA2薬 ③第2世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤 ④鼻噴霧用 ステロイド薬 症状に応じて①、② に④を併用する |
鼻噴霧用 ステロイド薬 + 第2世代 抗ヒスタミン薬 |
鼻噴霧用 ステロイド薬 + 抗LTs薬または 抗PGD2・TXA2薬 もしくは 鼻噴霧用 ステロイド薬 症状に応じて点鼻用 血管収縮薬を短期間 用いる。 |
| 保存療法に抵抗する症例では手術 | |||||
| アレルゲン免疫療法 | |||||
| 抗原除去・回避 | |||||
症状が改善してもすぐには投薬を中止せず、数カ月の安定を確かめて、ステップダウンしていく。
遊離抑制薬:ケミカルメディエーター遊離抑制薬。
抗LTs薬:抗ロイコトリエン薬。
抗PGD2・TXA2薬:抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬。
ディレグラの服用方法について
「用法及び用量」に関するガイド
ディレグラを投与する患者さんに対しては、1回2錠を1日2回、朝および夕の空腹時に服用するようご指導ください。
ディレグラは、1回2錠を1日2回、朝および夕の空腹時に服用する薬です。
一般的に、アレルギー性鼻炎の鼻閉症状は、下図のように朝と眠る前に強く感じる患者さんが多いといわれており、鼻閉症状悪化時に最大の血中濃度を維持させるためには、起床時と夕食前に服用するのが最適であると考えられます。
また、ディレグラの血中濃度推移は食事の影響を受けることから、空腹時の服用が適しています。空腹時に服用することで、適切な効果が発揮されますので、患者さんに対しては、食後ではなく、朝および夕の空腹時に服用するようお勧めください。
なお、飲み忘れに気づいた際は、食後であっても、気づいたときにできるだけ早く服用するようご指導ください(次の服用時間が近い場合は1回とばし、通常通り次の服用時間に1回分服用します)。
腎機能障害がある患者さんでは、適宜減量してください。
処方にあたっては、患者さんの「おくすり手帳」を確認し、薬物相互作用ならびに本剤の有効成分を含む薬剤(一般用医薬品を含む)との重複投与にご注意ください。
◆鼻閉を感じる時間
〈鼻閉のあるアレルギー性鼻炎の患者1,000名に対するインターネット調査より〉

1)より一部改変
◆一般的なタイムスケジュールとディレグラの服用タイミング例

ディレグラの投与を開始する前に
「特定の背景を有する患者に関する注意」、「副作用」などの「使用上の注意」に関するガイド
ディレグラを適正にご使用いただくために、以下の内容を十分に理解いただいた上で、投与を開始してください。
ディレグラの有効成分の一つ、塩酸プソイドエフェドリンはα交感神経刺激作用を有するため、ディレグラの投与前には、下に示す患者背景に該当するかどうかを必ずご確認ください。
本剤を正しく服用されているにもかかわらず、鼻閉症状の改善がみられない場合には、医師または薬剤師に相談するようご指導ください。
合併症・既往歴等のある患者さん
糖尿病の患者さん
高血圧の患者さん(重症の高血圧の患者さんを除く)
虚血性心疾患の患者さん(重症の冠動脈疾患の患者さんを除く)
眼圧上昇のある患者さん(閉塞隅角緑内障の患者さんを除く)
甲状腺機能亢進症の患者さん
前立腺肥大のある患者さん(尿閉のある患者さんを除く)
腎機能障害のある患者さん
適宜減量してください。塩酸プソイドエフェドリンは主として腎臓を経て尿中に排泄され、腎機能障害のある患者さんでは排泄が遅延し、作用が強くあらわれるおそれがあります。
妊婦の患者さん
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
授乳婦の患者さん
授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせてください。塩酸プソイドエフェドリンでは、ヒト乳汁中へ移行することが報告されています。また、フェキソフェナジン塩酸塩では、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されています。
小児等の患者さん
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。
高齢の患者さん
異常が認められた場合には適切な処置を行ってください。腎機能が低下していることが多く、血中濃度が上昇する場合があります。
ディレグラの主な副作用(0.1~5%未満の患者で発現)として、頭痛、発疹、疲労、口渇などが報告されています。
また、重大な副作用としては、以下のものが報告されています。(いずれも頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー
- 痙攣
- 肝機能障害、黄疸
- 無顆粒球症、白血球減少、好中球減少
- 急性汎発性発疹性膿疱症
電子化された添付文書の副作用及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。
ディレグラの適用上の注意
「適用上の注意」に関するガイド
製剤特性について
ディレグラはそのまま服薬することにより、アレルギー性鼻炎と鼻閉に対する効果を持続するよう製剤設計されています。噛んだり、砕いたりすることで、通常の服用よりも放出が早くなり、血漿中濃度の上昇や効果の持続時間が短くなることが想定されます。そのため、噛んだり、砕いたりせず、水と一緒にそのまま服用するようご指導ください。
14. 適用上の注意(電子化された添付文書より抜粋)
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
- 本剤は徐放層を含む錠剤であるため、噛んだり、砕いたりせず、水と一緒にそのまま服用すること。
- 糞便中に、有効成分放出後の殻錠が排泄されることがある。
ディレグラは有効成分が出た後の錠剤(殻錠)がほとんど変形せずに糞便中に排泄されることがありますが、安全性および有効性に問題ありません。

出典:
1) 倉島一浩:新薬と臨牀 61(10):2053, 2012
2) 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会/鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:『鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版(改訂第10版)』,金原出版
3) 黒野祐一他:アレルギー・免疫22(11):1619,2015
本薬剤についての詳細は、電子添文またはインタビューフォームをご覧ください。