適正使用ハンディガイド
ガスター

ガスターD錠10mg/20mg、ガスター錠10mg/20mg、ガスター散2%/10%
一般名:ファモチジン

ガスターD錠10mg
ガスターD錠20mg
ガスター錠10mg
ガスター錠20mg
ガスター散2%
ガスター散10%

※ガスターD錠/錠は視認性向上のため製品名を印字しています。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

開発の経緯

1979年
スルファモイルアミジノ基とグアニジノチアゾール環とを組み合わせたファモチジンの合成に成功
1985年1月
ガスター錠10mg・20mg/ガスター散10%/ガスター注射用20mg 承認取得
1985年7月
ガスター錠20mg 販売開始(他規格も順次販売開始)
1988年8月
急・慢性胃炎の胃粘膜病変及び1日1回就寝前投与の承認取得(錠、散)
1993年3月
ガスター散2% 承認取得
1997年
ガスターOD錠10mg・20mg 承認取得
2000年3月
ガスターOD錠10mg・20mgの切替として、ガスターD錠10mg・20mgの承認取得
2005年2月
用時溶解が不要なガスター注射液の承認取得
2018年10月1日
LTLファーマ株式会社がガスター全製剤の製造販売承認を承継
2021年12月
ガスターD錠の個装箱開封口位置変更(D錠破損防止)
2023年4月
ガスターD錠に製品名印字(視認性向上)
2023年8月
ガスター錠に製品名印字(視認性向上)

販売名の由来
Gaster:Gastric Ulcerを治療するなどの意味

治療学的特性

  1. 胃粘膜壁細胞のH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制する。
  2. 胃粘膜血流量を増加させる。
  3. 1日40mgで消化性潰瘍、逆流性食道炎に対し治癒を認めた。
  4. 消化性潰瘍、胃炎における自覚症状を改善した。
  5. ガスター(経口・注射)の副作用発現率(臨床検査値異常を含む)は1.8%(360/20,137例)である。

(承認時及び市販後調査成績)​
(口腔内崩壊錠承認時:1997 年 3 月)​
2023年8月改訂(第2版) ガスターD錠、錠、散電子添文
​2019年8月改訂(第1版) ガスター注射液電子添文

作用部位・作用機序(D錠・錠・散共通)

・作用機序:胃粘膜壁細胞のH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制することにより、胃・十二指腸潰瘍、胃炎等の治癒効果を示す。


用法及び用量(D錠・錠・散共通)

〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群〉

通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。また、1回40mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、上部消化管出血の場合には通常注射剤で治療を開始し、内服可能になった後は経口投与に切りかえる。

〈下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期〉

通常、成人にはファモチジンとして1回10mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。また、1回20mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。なお、年齢・症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意(腎機能低下患者への投与法)

ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする。

1回20mg 1日2回投与を基準とする場合

クレアチニンクリアランス(mL/min) 投与法
Ccr≧60 1回20mg  1日2回
60>Ccr>30 1回20mg  1日1回
1回10mg  1日2回
30≧Ccr 1回20mg  2〜3日に1回
1回10mg  1日1回
透析患者 1回20mg 透析後1回
1回10mg 1日1回

特定の背景を有する患者に関する注意(D錠・錠・散共通)

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行することが報告されている。

高齢者

本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある。
下記の表のような用法・用量を目安とする。

1回20mg 1日2回投与を基準とする場合

20mg 1日1回
10mg(半量) 1日2回

相互作用(D錠・錠・散共通)

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール) 左記の薬剤の血中濃度が低下する。 本剤の胃酸分泌抑制作用が左記薬剤の経口吸収を低下させる。

食事の影響

健康成人を対象にガスター20mgを絶食下又は食後にクロスオーバー法にて投与した結果、各時間の血漿中濃度、Cmax及びAUCは、両条件間に有意差が認められなかった。

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は上記記載の各項目をご参照ください

臨床成績(D錠・錠・散共通)

〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群〉

国内臨床試験

ガスター錠、散及びOD錠で胃潰瘍及び十二指腸潰瘍等について二重盲検比較試験を含む臨床試験が行われ、有用性が認められた。

用法 全般改善度 自他覚症状改善度 内視鏡判断治癒率又は改善率
1.胃潰瘍注1) 20mg×2/日 95.2% (1,174/1,233) 95.1%(1,105/1,162) 84.1%(1,037/1,233)
40mg×1/日 98.2%(449/457) 95.4%(412/432) 80.1%(366/457)
2.十二指腸潰瘍注2) 20mg×2/日 95.7%(645/674) 95.4%(600/629) 86.4%(582/674)
40mg×1/日 95.8%(343/358) 95.2% (320/336) 86.0% (308/358)
3. 胃・ 十 二指腸共存潰瘍 20mg×2/日 95.1% (39/41) 100.0% (41/41) 92.7% (38/41)
40mg×1/日 100.0% (5/5) 100.0% (5/5) 100.0% (5/5)
4. 吻合部潰瘍 20mg×2/日 95.7% (22/23) 100.0% (21/21) 87.0% (20/23)
40mg×1/日 75.0% (3/4) 66.7% (2/3) 75.0% (3/4)
5. 逆流性食道炎 20mg×2/日 90.5% (19/21) 90.0% (18/20) 90.5% (19/21)
40mg×1/日 87.5% (21/24) 87.0% (20/23) 83.3% (20/24)
6. 上部消化管出血 止血効果:
静脈内投与による止血効果は91.2%(165/181)を示し、二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められた。用量検討試験及び二重盲検比較試験における1回20mg、1日2回静脈内投与での止血効果は91.0%(91/ 100)で、投与36時間内の止血率は66.0%(66/100)、3日以内の止血率は84.0%(84/100)であった。
止血維持効果:
静脈内投与での止血後経口投与(20mg× 2 /日)による止血維持効果は良好であった。
7.Zollinger-Ellison症候群 一般臨床試験 6 例中(経口投与 5 例、静脈内投与 1 例)、 5 例(経口投与 4 例、静脈内投与 1 例)に有効であった。

注1)二重盲検比較試験(40mg/日、 8 週間投与)によって本剤の有用性が認められた。
注2)二重盲検比較試験(40mg/日、 6 週間投与)によって本剤の有用性が認められた。

〈急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、 出血、発赤、浮腫)の改善〉

国内臨床試験

ガスター錠、散及びOD錠で急・慢性胃炎の胃粘膜病変について二重盲検比較試験を含む臨床試験が行われ、有用性が認められた。

用法 全般改善度 自他覚症状改善度 内視鏡判断治癒率又は改善率
1. 急・慢性胃 炎の胃粘膜 病変注3) 10mg× 2 /日 84.1% (333/396) 84.4% (335/397) 81.8% (320/391)
20mg× 1 /日 81.0% (141/174) 84.0% (142/169) 80.3% (139/173)

注3)20mg×1/日投与法と10mg×2/日投与法との二重盲検比較試験では、自他覚症状改善度、内視鏡所見改善度、全般改善度及び有用度のいずれにおいても両者間に有意差は認められなかった。

胃酸及びペプシン分泌抑制作用

健康成人又は消化性潰瘍患者における20mg経口投与により胃酸分泌量は71.6~99.6%抑制される。

薬剤名等 胃酸分泌抑制率(%) ペプシン分泌抑制率(%)
基礎分泌 98.0 71.0
テトラガストリン刺激分泌(4㎍/kg、筋注) 94.7 75.1
ベタゾール刺激分泌(1mg/kg、筋注) 99.6 96.9
インスリン刺激分泌(0.21IU/kg、静注) 71.6 29.5
食餌刺激分泌 98.9

副作用(D錠・錠・散共通)

項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧

承認時までの試験 使用成績調査
(1985年1月31日~1991年1月30)
合計
調査症例数 4,470 15,667 20,137
副作用等発現症例数 135 225 360
副作用等発現件数 182 301 483
副作用発現等症例率(%) 3.02 1.44 1.79
副作用等の種類 副作用等の種類別発現症例数及び件数(%)
承認時までの試験 使用成績調査 合計
皮膚・皮膚付属器障害 16(0.36) 15(0.10) 31(0.15)
発疹 5(0.11) 8(0.05) 13(0.06)
皮疹 3(0.07) 1(0.01) 4(0.02)
薬疹 1(0.02) 2(0.01) 3(0.01)
丘疹 1(0.01) 1(0.00)
紅斑 3(0.07) 3(0.01)
蕁麻疹 3(0.07) 3(0.01)
そう痒感 1(0.02) 3(0.02) 4(0.02)
湿疹 1(0.02) 1(0.01) 2(0.01)
中枢・末梢神経系障害 2(0.04) 8(0.05) 10(0.05)
頭痛 1(0.02) 2(0.01) 3(0.01)
頭重感 1(0.02) 2(0.01) 3(0.01)
めまい 2(0.01) 2(0.01)
頭がボーッとする 1(0.01) 1(0.00)
手のふるえ 1(0.01) 1(0.00)
自律神経系障害 1(0.02) 1(0.00)
冷汗 1(0.02) 1(0.00)
気が遠くなる様な感じ 1(0.02) 1(0.00)
聴覚・前庭障害 1(0.02) 1(0.00)
耳鳴 1(0.02) 1(0.00)
精神障害 3(0.07) 3(0.02) 6(0.03)
無気力感 1(0.02) 1(0.00)
眠気 1(0.02) 1(0.00)
不眠 1(0.02) 1(0.00)
インポテンス 1(0.01) 1(0.00)
性欲減退 2(0.01) 2(0.01)
消化管障害 62(1.39) 27(0.17) 89(0.44)
便秘 34(0.76) 14(0.09) 48(0.24)
下痢 9(0.20) 3(0.02) 12(0.06)
軟便 2(0.04) 2(0.01) 4(0.02)
口渇 7(0.16) 1(0.01) 8(0.04)
悪心 4(0.09) 2(0.01) 6(0.03)
嘔吐 1(0.02) 1(0.00)
胃部不快感 1(0.02) 1(0.00)
心窩部不快感 2(0.01) 2(0.01)
腹部膨満感 1(0.02) 3(0.02) 4(0.02)
食欲不振 1(0.02) 3(0.02) 4(0.02)
腹痛 1(0.01) 1(0.00)
服用後の口の苦み 1(0.02) 1(0.00)
胃痛 1(0.02) 1(0.00)
口内炎 2(0.04) 2(0.01)
便が硬くなる 1(0.02) 1(0.00)
肝臓・胆管系障害 29(0.65) 99(0.63) 128(0.64)
肝機能異常 3(0.07) 57(0.36) 60(0.30)
AST(GOT)上昇 12(0.27) 20(0.13) 32(0.16)
ALT(GPT)上昇 16(0.36) 30(0.19) 46(0.23)
γ-GTP上昇 5(0.11) 8(0.05) 13(0.06)
ZTT上昇 4(0.03) 4(0.02)
TTT上昇 2(0.01) 2(0.01)
LAP上昇 2(0.01) 2(0.01)
ビリルビン上昇 7(0.16) 4(0.03) 11(0.05)
薬物性肝炎 2(0.01) 2(0.01)
代謝・栄養障害 8(0.18) 27(0.17) 35(0.17)
LDH上昇 2(0.04) 12(0.08) 14(0.07)
Al-P上昇 2(0.04) 11(0.07) 13(0.06)
血清コレステロール上昇 1(0.02) 4(0.03) 5(0.02)
尿酸上昇 1(0.02) 5(0.03) 6(0.03)
総蛋白上昇 1(0.02) 1(0.00)
カリウム上昇 2(0.04) 2(0.01)
内分泌障害 5(0.03) 5(0.02)
プロラクチン(値)上昇 1(0.01) 1(0.00)
女性型乳房 2(0.01) 2(0.01)
血清ガストリン上昇 2(0.01) 2(0.01)
心・血管障害 1(0.02) 1(0.00)
血圧上昇 1(0.02) 1(0.00)
心拍数・心リズム障害 1(0.02) 1(0.01) 2(0.01)
脈拍数増加 1(0.02) 1(0.00)
動悸 1(0.01) 1(0.00)
赤血球障害 2(0.04) 6(0.04) 8(0.04)
貧血 6(0.04) 6(0.03)
赤血球減少 2(0.04) 2(0.01)
ヘモグロビン減少 2(0.04) 2(0.01)
ヘマトクリット値減少 2(0.04) 2(0.01)
白血球・網内系障害 20(0.45) 42(0.27) 62(0.31)
白血球増多 2(0.01) 2(0.01)
白血球減少 12(0.27) 19(0.12) 31(0.15)
好中球減少 1(0.02) 7(0.04) 8(0.04)
好酸球増多 5(0.11) 14(0.09) 19(0.09)
好塩基球増多 1(0.02) 1(0.00)
リンパ球増多 1(0.02) 3(0.02) 4(0.02)
単球増多 1(0.02) 2(0.01) 3(0.01)
単球減少 1(0.02) 1(0.00)
血小板・出血凝血障害 2(0.04) 10(0.06) 12(0.06)
血小板減少 10(0.06) 10(0.05)
血小板増加 2(0.04) 2(0.01)
泌尿器系障害 2(0.04) 7(0.04) 9(0.04)
BUN上昇 5(0.03) 5(0.02)
クレアチニン上昇 1(0.01) 1(0.00)
残尿感 1(0.01) 1(0.00)
尿蛋白陽性 2(0.04) 2(0.01)
女性生殖(器)障害 1(0.02) 1(0.00)
月経不順 1(0.02) 1(0.00)
一般全身障害 6(0.13) 5(0.03) 11(0.05)
倦怠感(全身) 2(0.04) 1(0.01) 3(0.01)
発熱 1(0.02) 2(0.01) 3(0.01)
手掌浮腫 1(0.01) 1(0.00)
下腿浮腫 1(0.01) 1(0.00)
顔面浮腫 2(0.04) 1(0.01) 3(0.01)
顔面潮紅 1(0.02) 1(0.00)
(口腔内崩壊錠承認時)
インタビューフォーム ガスターD錠:2023年5月改訂(第18版)
ガスター錠散:2023年9月改訂(第17版)

FAQ

G1 (4回目)とガスター錠・ガスターD錠の薬価について教えてください。
G1は2018年度から新しく導入された長期収載品の薬価引き下げルールです。
2026年からは後発品の発売から5年たった直後の薬価改定で、後発品の薬価の2.5倍まで薬価を引き下げられます。その後は、2年に1度の薬価改定ごとに「後発品の2倍」「1.5倍」と段階的に引き下げ、G1適用開始から6年後の薬価改定で後発品と同じ薬価になる制度です。
ガスター錠・D錠は2026年度4月よりG1(4回目)となり、後発医薬品と同薬価になりました。
参考資料:中央社会保険医療協議会資料(中医協 薬- 27.12.3)001603463.pdf
薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和8年4月1日適用)厚生労働省

本薬剤についての詳細は、
電子添文ガスター(D錠)
電子添文ガスター(錠)
電子添文ガスター(散)
電子添文ガスター(注射液)
または
インタビューフォームガスター(D錠)
インタビューフォームガスター(錠・散)
インタビューフォームガスター(注射液)
をご覧ください。