臨床成績
オキサロール注

第Ⅲ相比較試験

承認時評価資料:第Ⅲ相二重盲検比較試験

試験方法:
二重盲検比較試験

目的:
慢性腎不全維持透析患者における二次性副甲状腺亢進症に対し、プライマリー・エンドポイントをintact-PTHの抑制効果としたオキサロール群の臨床的有効性と安全性ならびに有用性をプラセボとの二重盲検比較試験にて検討する。

対象:
血液透析施行中の安定期慢性腎不全患者で、活性型ビタミンD3製剤で十分な効果の得られていない二次性副甲状腺機能亢進症患者。HS-PTHが20,000pg/mL以上かつintact-PTHが200pg/mL以上、補正Ca値*が9.0mg/dL以上11.0mg/dL以下の患者。

*:補正Ca値(mg/dL)=血清Ca値(mg/dL)−血清Alb値(g/dL)+4.0

投与方法:
オキサロール注及びプラセボのいずれかを週3回、透析毎に6週間投与した。オキサロール注群では、投与2週間前のintact-PTHが500pg/mL以上の場合は10μg/回、500pg/mL未満の場合は5μg/回の投与とした。

解析対象(ITT):
オキサロール注群22例(5μg/回5例、10μg/回17例)、プラセボ群12例

主要評価項目:
PTH改善度

副次評価項目:
intact-PTHの推移、補正Ca値の推移

解析計画:
主要評価項目であるPTH改善度はプラセボ群と実薬群の有意差をWilcoxon順位和検定にて確認した。検定有意水準は両側5%とした。

PTH改善度 〈主要評価項目〉

中等度改善以上の改善率はプラセボ群(8.3%)に対し、オキサロール注群では72.7%と有意な改善が認められた(p<0.001、Wilcoxon順位和検定)。

● PTH改善度

上段:例数、下段:%

著明
改善
中等度
改善
軽度
改善
不変 悪化 計 改善率
[中等度改善以上]
(95%信頼区間)
検定
(オキサロール注
vs プラセボ)
プラセボ群 0
(0.0)
1
(8.3)
3
(25.0)
2
(16.7)
6
(50.0)
12 8.3
(0.2-38.5)
Wilcoxon
順位和検定
Z=3.96
p<0.001
オキサロール注群 全体 9
(40.9)
7
(31.8)
5
(22.7)
0
(0.0)
1
(4.5)
22 72.7
(49.8-89.3)
5μg群 0
(0.0)
3
(60.0)
1
(20.0)
0
(0.0)
1
(20.0)
5 60.0
(14.7-94.7)
10μg群 9
(52.9)
4
(23.5)
4
(23.5)
0
(0.0)
0
(0.0)
17 76.5
(50.1-93.2)

著明改善:intact-PTH50%以上の低下
中等度改善:intact-PTH50%未満30%以上の低下
軽度改善:intact-PTH30%未満10%以上の低下
不変:intact-PTH10%未満の変化
悪化:intact-PTH10%以上の上昇

intact-PTHの推移 〈副次評価項目〉

● intact-PTHの推移

補正Ca値の推移 〈副次評価項目〉

● 補正Ca値の推移

副作用

オキサロール注群では、22例中8例(36.4%)、9件に副作用が認められ、高カルシウム血症※7件(31.8%)、そう痒感、胃不快感が各1件(4.5%)であった。
1例が皮膚そう痒感の増強と高度の高カルシウム血症によって投与を中止した。
プラセボ群では、12例中1例(8.3%)、1件に胃不快感が認められた。
本試験において、重篤な副作用及び死亡例は認められなかった。

※:補正Ca値が11.5mg/dLを超えた場合は、臨床症状の有無に関わらず高カルシウム血症とした。

第Ⅲ相一般臨床試験

黒川 清ほか:腎と透析, 48:875, 2000
利益相反:本試験は中外製薬株式会社の支援により行われた。

試験方法:
オープン試験

目的:
慢性腎不全維持透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症に対するオキサロール群の長期投与における有効性、安全性及び有用性を検討する。

対象:
血液透析施行中の安定期慢性腎不全患者で、活性型ビタミンD3製剤などで十分な効果が得られていない二次性副甲状腺機能亢進症患者。HS-PTHが20,000pg/mL以上、補正Ca値9.0mg/dL以上11.0mg/dL以下の患者。

投与方法:
intact-PTHで500pg/mL以上の症例はオキサロール注10μg、intact-PTHで500pg/mL未満の症例はオキサロール注5μgを透析毎に4週間投与し、4週以降はintact-PTH、補正Ca値の推移によって2.5〜15μgの範囲で投与量を適宜調節し、26週間投与した。

解析対象(ITT):
160例

主要評価項目:
PTH改善度

副次評価項目:
intact-PTHの推移、骨代謝マーカーの推移、補正Ca値の推移

解析計画:
主要評価項目であるPTH改善度は95%信頼区間を算出した。

PTH改善度 〈主要評価項目〉

● PTH改善度

上段:例数、下段:%

著明改善 中等度改善 軽度改善 不変 悪化 判定不能 計 改善率
[中等度改善以上]
(95%信頼区間)
59
(36.9)
31
(19.4)
25
(15.6)
15
(9.4)
25
(15.6)
5
(3.1)
160 56.3
(48.2-64.1)

著明改善:intact-PTHが50%以上の低下、あるいは200pg/mL以下に維持
中等度改善:intact-PTHが50%未満30%以上の低下
軽度改善:intact-PTHが30%未満10%以上の低下
不変:intact-PTHが10%未満の変化
悪化:intact-PTHが10%以上の上昇

intact-PTHの推移 〈副次評価項目〉

● intact-PTHの推移

骨代謝マーカーの推移 〈副次評価項目〉

● ⅠCTPの推移

● 骨型ALPの推移

補正Ca値の推移 〈副次評価項目〉

● 補正Ca値の推移

副作用

副作用は160例中87例(54.4%)、123件に認められた。
主な副作用は、高カルシウム血症※77件(48.1%)、CK(CPK)上昇13件(8.1%)、そう痒感9件(5.6%)であった。
4例がそう痒感、高カルシウム血症などで休薬又は投与を中止した。
本試験において、重篤な副作用及び副作用による死亡例は認められなかった。

※:補正Ca値が11.5mg/dLを超えた場合は、臨床症状の有無に関わらず高カルシウム血症とした。

長期継続投与試験

秋澤忠男, 黒川 清:Clin Calcium, 12:781, 2002
利益相反:本試験は中外製薬株式会社の支援により行われた。

試験方法:
オープン試験

目的:
一般臨床試験の長期継続試験において慢性腎不全維持透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症に対するオキサロール群の維持長期投与における有効性、安全性及び有用性を検討する。

対象:
26週間の長期投与終了後、さらに維持投与に移行することが適当とされた血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者。

投与方法:
前試験終了時の1回投与量で開始し、intact-PTH値の低下、補正Ca値の上昇等に注意し、オキサロール注の1回投与量は2.5〜20μg/回の範囲で適宜調節し、26週間投与した。

解析対象(ITT):
124例

主要評価項目:

PTH改善度

副次評価項目:
intact-PTHの推移、補正Ca値の推移、平均投与量の分布

解析計画:
主要評価項目であるPTH改善度は95%信頼区間を算出した。

PTH改善度 〈主要評価項目〉

本試験最終時(52週)における中等度改善以上の改善率は51.6%であった。

● 評価時期別PTH改善度

上段:例数、下段:%

時期 著明改善 中等度改善 軽度改善 不変 悪化 判定不能 計 改善率
[中等度改善以上]
(95%信頼区間)
12週 49
(39.5)
28
(22.6)
17
(13.7)
8
(6.5)
17
(13.7)
5
(4.0)
124 62.1
(52.9-70.7)
26週 46
(38.3)
17
(14.2)
14
(11.7)
14
(11.7)
26
(21.7)
3
(2.5)
120 52.5
(43.2-61.7)
52週 46
(37.1)
18
(14.5)
14
(11.3)
15
(12.1)
27
(21.8)
4
(3.2)
124 51.6
(42.5-60.7)

著明改善:intact-PTH50%以上の低下
中等度改善:intact-PTH50%未満30%以上の低下
軽度改善:intact-PTH30%未満10%以上の低下
不変:intact-PTH10%未満の変化
悪化:intact-PTH10%以上の上昇

intact-PTHの推移 〈副次評価項目〉

● intact-PTHの推移

補正Ca値の推移 〈副次評価項目〉

● 補正Ca値の推移

平均投与量の分布 〈副次評価項目〉

● 平均投与量の分布

カラム内の数値は例数を示す

副作用

副作用は124例中49例(39.5%)、60件に認められた。
主な副作用は高カルシウム血症※41件(33.1%)、CK(CPK)上昇6件(4.8%)であった。
1例がそう痒感によって投与を中止した。
本試験において、重篤な副作用及び死亡例は認められなかった。

※:補正Ca値が11.5mg/dLを超えた場合は、臨床症状の有無に関わらず高カルシウム血症とした。