臨床成績
ガスター
ガスター錠|胃潰瘍
国内第Ⅱ相試験
承認時評価資料
目的:
胃潰瘍に対するガスター就寝前40mg、1回投与の臨床的有効性を検討する。
対象:
内視鏡検査により胃潰瘍と診断された患者237例(有用性判定例191例、副作用判定例228例)。1回投与群121例(有用性判定例97例、副作用判定例116例)、2回投与群116例(有用性判定例94例、副作用判定例112例)。
試験方法:
二重盲検法により、患者を1回投与群と2回投与群に割り付け、1回投与群では朝食後にプラセボ2錠、就寝前にガスター錠2錠(40mg)を投与し、2回投与群では朝食後、就寝前にそれぞれガスター錠1錠(20mg)とプラセボ1錠を投与した。内視鏡検査で潰瘍が確認されてから1週間以内に試験薬の投与を開始し、投与期間は8週間とした。投与期間中に潰瘍の治癒が確認されたときは投与中止を可とした。
評価項目:
内視鏡所見。
判定基準:
投与前の所見と比較して、治癒、著明縮小、中等度縮小、軽度縮小、不変、悪化の6段階で判定した。なお、内視鏡的に白苔消失が確認されたものを治癒とした。
有効性
胃潰瘍患者にガスターを投与したところ、内視鏡的治癒率においてガスター1回投与群と2回投与群間に差は認められなかった(Mann-Whitney U-検定)。

N.S. : Not significant
安全性
副作用は、2回投与群で112例中1例(0.9%)にALT(GPT)・Al-P上昇が認められ、1回投与群では認められなかった。重篤な副作用は両群で認められなかった。
臨床検査値異常は、薬剤との関連が疑われた症例が2回投与群で1例認められ、薬剤との関連が不明の症例が1回投与群、2回投与群で各8例認められた。
ガスター錠|十二指腸潰瘍
国内第Ⅱ相試験
承認時評価資料
目的:
十二指腸潰瘍に対するガスター就寝前40mg、1回投与の臨床的有効性を検討する。
対象:
内視鏡検査により十二指腸潰瘍と診断された患者241例(有用性判定例197例、副作用判定例232例)。1回投与群121例(有用性判定例98例、副作用判定例113例)、2回投与群120例(有用性判定例99例、副作用判定例119例)。
試験方法:
二重盲検法により、患者を1回投与群と2回投与群に割り付け、1回投与群では朝食後にプラセボ2錠、就寝前にガスター錠2錠(40mg)を投与し、2回投与群では朝食後、就寝前にそれぞれガスター錠1錠(20mg)とプラセボ1錠を投与した。内視鏡検査で潰瘍が確認されてから1週間以内に試験薬の投与を開始し、投与期間は6週間とした。投与期間中に潰瘍の治癒が確認されたときは投与中止を可とした。
評価項目:
内視鏡所見。
判定基準:
投与前の所見と比較して、治癒、著明縮小、中等度縮小、軽度縮小、不変、悪化の6段階で判定した。なお、内視鏡的に白苔消失が確認されたものを治癒とした。
有効性
十二指腸潰瘍患者にガスターを投与したところ、内視鏡的治癒率においてガスター1回投与群と2回投与群間に差は認められなかった(Mann-Whitney U-検定)。

N.S. : Not significant
安全性
副作用は、1回投与群で113例中1例(0.9%)にAST(GOT)・ALT(GPT)上昇、2回投与群で119例中1例(0.8%)に顔面発疹が認められた。重篤な副作用は両群で認められなかった。
臨床検査値異常は、薬剤との関連が疑われた症例が1回投与群で1例、2回投与群で2例認められ、薬剤との関連が不明の症例が1回投与群で10例、2回投与群で8例認められた。
ガスター錠、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
国内第Ⅱ相試験
承認時評価資料
目的:
ガスターの1日1回就寝前投与の胃炎※に対する臨床的有用性を評価する。
対象:
なんらかの消化器症状(心窩部痛、悪心など)を有し、かつ内視鏡検査で急性胃炎あるいは慢性胃炎に伴う急性胃粘膜病変と診断され、内科的治療を必要とする患者209例(1回投与群107例、2回投与群102例)。
試験方法:
二重盲検法により、1日1回投与群と1日2回投与群に無作為割り付けした。2回投与群はガスター10mg錠を1回1錠、1日2回(朝食後、就寝前)と、プラセボ1錠を就寝前に投与した。1回投与群はプラセボを1回1錠、1日2回(朝食後、就寝前)と、ガスター20mg錠1錠を就寝前に投与した。投与期間は2週間とし、投与期間中に治癒した場合には投与終了を可とした。
評価項目:
内視鏡所見の消失率、自他覚症状の消失率
判定基準:
内視鏡所見は、内視鏡検査を実施し重症度を4段階(高度:⧻、中等度:⧺、軽度:+、なし:−)で評価した。自他覚症状は、問診し4段階(強度:⧻、中等度⧺、軽度:+、症状なし:−)で評価した。
有効性
急性胃炎あるいは慢性胃炎に伴う急性胃粘膜病変患者に、ガスターを1日1回20mgまたは1回10mg 1日2回投与したところ、各内視鏡所見において、1日1回投与群と1日2回投与群の両群間に差はなかった(一般化Wilcoxon検定)。

※急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期 N.S.:Not significant
安全性
概括安全度解析対象例は2回投与群96例、1回投与群103例であった。
副作用は、2回投与群で1例に胃の痛みが認められ、1回投与群では1例に眠気が認められた。
薬剤との関連性が否定できない臨床検査値異常は、2回投与群、1回投与群で各1例認められた。
ガスター錠|逆流性食道炎
国内一般臨床試験
承認時評価資料
目的:
逆流性食道炎に対するガスター1日40mg 1回就寝前投与の有効性を評価する。
対象:
内視鏡により逆流性食道炎の所見を認めた51例(効果集計対象24例、副作用集計対象49例)。
試験方法:
ガスター錠20mgを1日1回2錠(40mg)、就寝前経口投与し、投与期間を原則として12週間とした。投与期間途中で治癒が確認された場合には以降の投与中止を可とし、12週以上の加療が必要な症例については16週まで投与した。内視鏡検査は投与前、投与4、8、12週後(および16週後)に実施し、自他覚症状は投与前、投与1、2、4、6、8、10、12週後(および14、16週後)に評価した。
評価項目:
内視鏡所見改善度、自他覚症状改善度
判定基準:
内視鏡判定は、治癒、著明縮小、中等度縮小、軽度縮小、不変、悪化の6段階で判定した。自他覚症状は、推移をもとに著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化、初めからなしの6段階で判定した。
有効性
逆流性食道炎患者にガスターを1日1回40mg投与したところ、内視鏡的治癒率は16週後で83.3%(20/24例)であった。

安全性
副作用は、49例中1例に悪心が認められた。ガスターの投与により、臨床検査値異常をきたした症例は認められなかった。
ガスター注射|侵襲ストレス(脳血管障害・頭部外傷)による上部消化管出血
国内二重盲検比較試験
承認時評価資料
目的:
プラセボを対照とした、脳血管障害および頭部外傷患者におけるガスター注射用20mgの有効性ならびに臨床的有用性を比較検討する。
対象:
脳血管障害および頭部外傷の患者123例(有用度判定対象108例、概括安全度判定対象122例)。
試験方法:
二重盲検法により患者をガスター注射用※20mg群とプラセボ群に無作為割り付けした。試験薬1アンプルを1日2回、12時間毎に静脈内投与あるいは点滴投与を行った。投与期間は5日間とし、5日間を超える場合には7日間を限度とした。8時間毎に胃液を胃管にて採取し、pHを測定し、吸引した胃液中の胆汁混入および血液混在の有無を肉眼的に観察した。
評価項目:
胃酸分泌に対する効果、上部消化管出血の有無。
判定基準:
上部消化管出血;胃管吸引物中の血液混在の有無を4段階(なし、わずかにあり、あり、大量にあり)で評価した。
※ガスター注射用:用時溶解の凍結乾燥製剤
有効性
脳血管障害および頭部外傷患者にガスター20mgを1日2回静脈投与したところ、ガスター投与群では1日毎の平均胃液がpH4.5〜5.0で推移した。
また、ガスター群はプラセボ群に比較して上部消化管出血を抑制した(p<0.05、Mann-Whitney U-検定)。

安全性
副作用は、ガスター群(58例)、プラセボ群(64例)の両群で認められなかった。薬剤との関連性が否定できない臨床検査値異常は認められなかった。
ガスター注射用|麻酔前投薬
国内二重盲検比較試験
承認時評価資料
野口 純一 他:麻酔. 36(4):592, 1987.
本研究は山之内製薬株式会社(現:アステラス製薬株式会社)の支援により実施された。
目的:
プラセボを対照とした、全身麻酔を要する手術を施行した患者に対するガスター注射用20mgの麻酔前投薬としての効果ならびに安全性を検討する。
対象:
全身麻酔を要する手術を施行した患者262例(有用性判定対象252例、副作用判定対象262例)。
試験方法:
二重盲検法により、患者をガスター注射用※20mg群とプラセボ注射剤群に無作為割り付けした。試験薬1アンプルを日局注射用蒸留水1.2mLで溶解し、麻酔導入1時間前に上腕外側に筋肉内投与した。麻酔導入直後、導入1時間後、2時間後、抜管時の胃液を採取し、胃液量および胃液のpHを測定した。
評価項目・基準:
胃液量、胃液pHの経時的変化で判定した。
※ガスター注射用:用時溶解の凍結乾燥製剤
有効性
全身麻酔患者にガスター20mgを筋肉内投与したところ、ガスター群はプラセボ群に比し、麻酔導入時、1時間後、2時間後、抜管時のいずれの時点においても胃液pHの変化(p<0.01、抜管時;p<0.001、Mann-Whitney U-検定)および胃液量の変化が認められた(p<0.001、麻酔導入時:p<0.05、Mann-Whitney U-検定)。

安全性
副作用は、ガスター群(132例)では認められず、プラセボ群で130例中2例に発熱が認められた。